アクセンチュア最新調査――市民は、デジタルを活用したシンプルかつ直感的な公共サービスを期待

2022/12/12

一方で、アナログなコミュニケーションの選択肢や安全性に対するニーズも根強い

【ニューヨーク発:2022年10月12日】

アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査「新たな視点から見る公共サービス体験(Public Service Experience Through a New Lens)」によると、市民は、安全でプライバシーが確実に保護され、かつ、シンプルで直感的なデジタル行政サービスを求めていることが明らかになりました。一方で、電話や対面といったアナログでのサービス選択肢も依然として求めています。

日本を含む、北米、欧州、アジア太平洋地域10カ国での調査結果に基づくこのレポートでは、公共サービスが進化するなかで、常にシンプルであることが重要だと示されています。

行政とのデジタル上でのやり取りを増やしたいと答えた回答者の割合は、2019年と2022年の比較で、グローバルでは29%から39%、日本では29%から46%に増加しました。しかし、グローバルの回答者の53%(日本の43%)が公共サービスへのアクセス利便性に不満を感じており、行政のプロセスややり取りを直観的に理解できると答えた人はグローバルではわずか36%(日本では25%)にとどまりました。

アクセンチュア ソングで日本における公共領域を統括する大河原 久子は、次のように述べています。「顧客体験を向上させる最善の方法は、人々が必要なものを一度(First Try)で実現できるようにすることです。本調査では、日本は他の国と比較して『過去2年以内にデジタルツールを経由して行政サービスを利用した』と答えた割合が低いことがわかっており、その背景にはオンラインで提供されている行政サービスの使い難さが背景にあると推察されます。行政組織は市民の目線でシンプルかつ安心して利用できるプロセスを確立することが急務です。市民が自ら簡単な問い合わせに対して、オンライン、電話、または対面式のサービスでクイックに解決ができれば、行政職員はその分より難易度の高い対応に集中することができるようになります」

市民が公共サービスに求めるもの
使ってみたくなるデジタルサービスに必要なものは何かという質問に対して、回答した市民は「使いやすさ」と「データのセキュリティとプライバシーに対する信頼性」をあげています。利便性と効率性を高めるために、個人データを行政機関と共有してもよいと回答している市民は、グローバルで53%(日本では33%)に上ります。また、行政とのやりとりは年に1回以下である人が多い一方、公共サービスの利用頻度の高い人は、デジタルでのやりとりを増やすことを最も強く支持していることが明らかになりました。

さらに、このレポートでは、非デジタルサービスの効率的な提供も重要であるとしています。調査回答者の20%以上(日本では29%)が自宅に高速インターネット回線がないと答え、40%(日本では41%)以上が公共情報へのアクセス方法として対面または電話によるアクセスを希望しています。

アクセンチュア ソングの公共部門を統括するケビン・エレンウッド(Kevin Ellenwood)は次のように述べています。「行政機関は、すべての市民により良い体験をもたらすサービスを提供することが肝要です。デジタルチャネルへの関心が高まるなか、サービスの最適化を念頭に、その提供方法を検討していくことが求められます」

行政職員の見解
今回の調査で、公共サービスについて、行政職員の見解も調査したところ、行政職員は、自身の仕事、雇用主、テクノロジーの活用について、非常に肯定的な見解を示していることが明らかになりました。例えば、87%(日本では96%)が自身の仕事に魅力を感じていると回答しました。また、84%(日本では95%)が雇用主から適切なサポートがされていると答え、94%(日本では96%)が雇用主から提供された新しいデジタルツールを活用する能力に自信を示しています。

しかし、多くの行政職員は、サイバーセキュリティのトレーニング機会が少ないことを指摘しています。サイバーセキュリティやデータセキュリティに関する定期的なトレーニングを受けていると答えた行政職員は3分の1(日本では29%)に過ぎませんでした。また、公共サービスの提供能力を高めるためのトレーニングに強い関心を持っていることが明らかになりました。

大河原 久子は次のように指摘しています。「サイバーセキュリティに関する継続的な教育やトレーニングを行うことで、デジタルを活用した行政サービスに関する職員の理解が深まり、市民からの信頼向上にもつながるでしょう。サイバーセキュリティは、常に継続的な優先事項として扱うべきです。また、日本においては自身の仕事に高いやりがいを感じる一方で、非効率で不明確な事務プロセスに不満を感じている行政職員の割合も高く、職員が本来のパフォーマンスを発揮できるよう、行政組織の仕組みや業務のあり方について、職員視点での継続的な改善も必要でしょう」

調査方法

アクセンチュア リサーチは、2022年3月から4月にかけて、日本、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、イギリス、アメリカにおいて、5,500人の消費者と3,000人の公共サービス従事者を対象に調査を実施しました。

アクセンチュアについて

アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズサービス、アクセンチュア ソングの領域で、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテリジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供しています。アクセンチュアは72万1,000人の社員が、世界120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる価値を創出します。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.com/us-enを、
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