アクセンチュア最新調査――デジタルを活用した業務オペレーションの効率化とスマート化によって、5兆米ドルの経済成長が生まれることが判明

2021/01/29

【ニューヨーク発:2021年1月27日】

アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大によってデジタル化が進み、新たな俊敏性を備えた業務オペレーションが広く普及することで、世界で5.4兆米ドル相当の経済価値が生まれることが明らかになりました。

アクセンチュアは、1,100人(日本企業は125人)の上級役職者を対象としたグローバル調査ならびに公開されている財務データに基づき、最新調査レポート「Fast Track to Future-Ready Performance」(英語のみ)を作成しました。本レポートでは、業務オペレーションの成熟度が段階的に評価されており、最も高い成熟度を持つ企業は「未来型企業」と定義されています。成熟度が高いほど人工知能(AI)、クラウド、データアナリティクスなどデジタルの能力が高い傾向にありました。

今回の調査において、未来型企業と定義された企業は約7%に留まりました。未来型企業は、昨今の不確実な経済状況にも関わらず、同業他社と比べて約2倍の効率性と3倍の収益性を実現していることが分かっており、段階的な改善から大規模な変革へと方向転換しながら、デジタル変革やオペレーティングモデルの再構築に注力しています。

未来を見据えた対応

未来型企業は、豊富なデータに基づく意思決定、AIによる従業員の能力強化、俊敏性を備えた労働環境の構築によって業務変革を進めており、デジタルの導入度合いや業務オペレーションの成熟度が突出して高い結果となりました。未来型企業が注力している主な領域は、以下の通りです。

アクセンチュア株式会社 執行役員オペレーションズ コンサルティング本部 統括本部長 伊佐治 光男は、次のように述べています。「本調査によって、先端デジタル技術を積極的に取り込むことで高度な業務オペレーションを実現して収益性を大きく向上させている未来型企業と、そうでない企業との歴然とした差が明らかになりました。未来型企業は、今後もデジタルへの投資を加速させることで、さらにこの差を広げていくことが予想されます。同一業界内の競合他社のみならず、国境を越えた他業種からの参入やコンバージェンスが加速する世界において日本企業が競争優位を保つためには、オペレーティングモデルおよび日々の業務オペレーションの大胆な変革が求められます」

業務オペレーションの成熟度は、業界によって異なることも分かりました。今回の調査では、保険業界(10%)やハイテク業界(9%)が、未来型企業の割合が比較的高い結果となりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によって急速なデジタル化が余儀なくされたことを踏まえ、アクセンチュアでは、自動車業界(48%)、保険業界(42%)、銀行業界(37%)などを筆頭にして、2023年までに未来型企業に進化を遂げる企業の割合が増えると予想しています。

今回の調査で、アクセンチュアは、業績の改善や顧客体験価値の向上といった事業成果を「変革価値」と定義しています。未来型企業は、こうした変革価値を業務オペレーションに組み込むことで、未来型企業に該当しない企業に比べて、平均で13.1%の効率性向上および6.4%の収益性向上を実現していることが明らかになりました。

さらに、過去3年間で、未来型企業に進化を遂げた企業は、製品やサービスに関するイノベーションのスピード(83%)、従業員のエンゲージメントや定着(80%)、顧客体験(70%)、データから生み出されるビジネス価値(73%)、従業員同士の連携やリスキリング(68%)に関して改善を図ったことが分かりました。

今回の調査によると、多くの企業は業務オペレーションの強化を進めているものの、93%の企業には取り組むべき余地が残されており、業務オペレーションの成熟度を1段階でも引き上げることで利益を拡大できることが分かっています。2020年に成熟度を1段階引き上げた企業は、平均して売上高1ドルあたりの営業費用において7.6%の効率化を実現しており、収益に対するEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の割合が2.3%増加しています。

業務オペレーションの効率化とスマート化が大幅な収益性向上をもたらす

調査方法

アクセンチュアは、日本を含む世界11カ国、13の業界における企業の上級役職者1,100人(日本企業は125人)を対象に、2020年に調査を実施しました。回答者の44%が企業経営層でした。調査では、ビジネスの成熟度を4段階で測定し、各段階におけるAI、クラウド、データなどデジタルの活用状況を評価しました。業績への影響については、調査への回答内容と、調査対象となった1,100社のうち810社の公開されている財務データを組み合わせて評価しました。

アクセンチュアについて

アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、ストラテジー&コンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペレーションズサービスを、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテリジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供しています。アクセンチュアは51万4,000人の社員が、世界120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる価値を創出します。
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