アクセンチュア、世界初となる楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの立ち上げを支援

2020/12/14

すべてのネットワーク運用をクラウド上に移行

【ニューヨークおよび東京発:2020年12月14日】

アクセンチュア(NYSE:ACN)は、世界初(※)となる楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの立ち上げにおいて、ビジネスモデルの策定から開発・運用までを支援したことを発表します。

楽天モバイルのネットワークは、世界で初めて完全に仮想化されており、重要なハードウエアとソフトウエアを一元管理することができます。これにより、通信事業者が抱える大規模なインフラの構築、保守、運用にかかるコストを極小化することが可能となり、サービスや競争力の向上に大きく貢献します。


アクセンチュアが支援した世界初となる楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの特徴

ネットワークの構築方法や運用方法を再発明するにあたり、楽天モバイルは、完全仮想化モバイルネットワークの立ち上げを支援する新しい組織やビジネスモデル策定の支援にアクセンチュアを選定しました。アクセンチュアは、多岐にわたるプロジェクトの管理を行ったほか、楽天モバイルがネットワークのパフォーマンスやアーキテクチャの完成度を効率的に管理するために必要なエンジニアリング体制の構築を支援しました。

2020年4月に本格的なサービス提供を開始して以降、楽天モバイルのクラウドネイティブモバイルネットワークは、新型コロナウイルス感染症の影響にも関わらず、一般的な通信事業者と比べ、2.5倍のデータトラフィックを処理しています。楽天モバイルのネットワーク運用コストは、他の通信事業者と比較して約30%削減されており、同社は、ほとんどの通信事業者より迅速にソフトウエア開発や立ち上げを可能にしています。

楽天モバイルの代表取締役副社長兼最高技術責任者であるタレック・アミン(Tareq Amin)氏は、次のように述べています。「勇気が必要な冒険を共にしてくれたアクセンチュアのチームに、感謝しています。アクセンチュアの支援によって、これまでになかったネットワークエンジニアリングの手法や、自動化のノウハウ、先端テクノロジーの活用が進んだことで、ネットワークの運用方法に変革をもたらし、世界初となる完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを稼働することができました」

また、アクセンチュアは、楽天モバイルのサービスエクスペリエンスセンターの開設を支援しました。同センターは、旧来型のネットワークオペレーションセンターを進化させ、より顧客のニーズに寄り添ってサービスを提供する役割を果たします。サービスエクスペリエンスセンターのチームは、ネットワークの進化に応じて新たな機能を加えながら、運用を行っています。

このほかアクセンチュアでは、ほぼリアルタイムのネットワーク監視や障害検知、防止を可能とする楽天モバイルのネットワークオペレーティングシステム(RNOS)の開発と導入も支援しています。楽天モバイルは、RNOSにおいて、リアルタイムなデータ報告に基づく機械学習を活用することにより、ネットワークのパフォーマンスや信頼性の強化を図ることが可能になりました。RNOSプラットフォームの開発を通して、アクセンチュアは、楽天モバイルのネットワーク運用に関わる人員効率の向上を支援し、削減したコストをユーザーの利用料金に還元することに貢献しました。

さらに、アクセンチュアは、楽天モバイルの継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)向けプラットフォームの運用も支援しています。これにより、楽天モバイルのエンジニアリングチームは、構築からテスト、セキュリティ実装、導入までを自動化することができ、迅速かつ着実にイノベーションの創出を図ることが可能になります。こうした開発・運用に関する機能は、すべて一貫性を持って使用できるように設計されています。

楽天モバイルの日本における4Gネットワークの立ち上げに加え、アクセンチュアは、Rakuten Communications Platform(RCP)の実証プロジェクトにおいて、プラットフォームの設計や構築を支援しました。RCPは、楽天モバイルが有する世界レベルの自動化技術が活用されています。コンピューティングと通信の融合に向け、楽天モバイルの卓越したエンジニアリングスキルとアクセンチュアのクラウドアーキテクチャや実装における知見を結集して構築されたものであり、クラウドネイティブで、5Gネットワークをアズ・ア・サービス型で提供できるという機能を持ちます。

アクセンチュアで通信・メディア事業のグローバル統括を務めるシニア・マネジング・ディレクターのフランチェスコ・ヴェントゥリーニ(Francesco Venturini)は、次のように述べています。「楽天は、創造的破壊の文化や、優れたソフトウエア開発力、提供能力によって、全く新しいモバイルネットワークを実現しました。アクセンチュアは、5Gやエッジクラウドの開発に投資を行い、全世界から専門家やソリューション、アセットを集結させることで、この先進的なプロジェクトを支援しました。今後も楽天モバイルとともに探究心を育みながら、取り組みを進めてまいります」

エッジクラウドはクラウドエコシステムの形成を担うテクノロジーとして台頭しつつあります。エッジクラウドによって、ストレージやコンピュート(データ処理を行う仮想マシン)などのエッジに配置された技術や、市場のニーズの変化に対しても安全かつ即座に対応可能で、アプリケーションとの相互接続を前提とした拡張性に優れたネットワークとの連携が可能になります。業界を牽引するリーダー企業になるためには先端テクノロジーをいち早く取り入れ、イノベーションを起こすことが不可欠であり、本日の発表内容はこうした背景を踏まえたものです。

アクセンチュアは、クラウド領域のサービスのさらなる拡充を迅速に進めるために、複数のクラウドの専門家を集結させた新たな組織であるアクセンチュア クラウド ファーストを設立し、今後3年間で30億米ドルを投資していくことを発表しています。これにより、あらゆる業界の企業に対して、クラウドを起点としたデジタル変革を通じ、圧倒的なスピードと規模で価値を生み出していくための支援体制がさらに強化されました。

楽天モバイルとの取り組みの詳細は、www.accenture.com/jp-ja/case-studies/communications-media/rakuten-mobileをご覧ください。

※大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ

<画像内の用語説明>

・OpenRAN: Open Radio Access Network(オープンな無線アクセスネットワーク)のこと。RANの構成をオープンにすることで、マルチベンダー化を可能にする。

・MEC: マルチアクセスエッジコンピューティングの略で、ETSI(欧州電気通信標準化機構)が標準化を進めているエッジコンピューティングアーキテクチャ規格のこと。エッジサーバーを端末の近くに分散配置させることで、より低遅延な通信が可能になる。

アクセンチュアについて

アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、ストラテジー&コンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペレーションズサービスを、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテリジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供しています。アクセンチュアは50万6,000人の社員が、世界120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる価値を創出します。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

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アクセンチュア株式会社
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