アクセンチュア最新調査――大半の銀行は、法人向けオープンバンキング・サービスを計画、うち多数が収益の2桁成長を予想

2019/02/07

法人顧客も、革新的な金融サービスを活用するために、オープンバンキングの利用を計画

アクセンチュア(NYSE: ACN)がグローバルで実施した最新調査によると、ほとんどの大手銀行は法人向けオープンバンキング・サービスの提供を自行のデジタル変革プログラムにおける重要な戦略的取り組みと位置付けており、その多くがオープンバンキング・サービスの提供によって収益の2桁成長を見込んでいることが明らかになりました。

オープンバンキングの仕組みを活用することで、銀行の法人顧客は、自社の財務データを銀行や第三者企業と安全に共有できます。これにより、資金の移動、金融商品の比較、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を使った口座管理が容易に行えるようになります。

本調査では、大手銀行の90%は、法人顧客向けにオープンバンキング・サービスを提供する予定であると回答しました。また、大手銀行の54%は、オープンバンキングによって最大10%の収益増を見込んでおり、大手銀行の35%は、最大20%の収益増を期待しています。

アクセンチュアは、グローバル銀行、大企業、中小規模企業の経営幹部750人超を対象に実施したグローバル調査をもとに、「It’s Now Open Banking, Do You Know What Your Commercial Clients Want From It?(オープンバンキングの時代:法人顧客の期待)」と題するレポートをまとめました。

今後3~5年間で、法人顧客向けオープンバンキング・サービスの提供により、どの程度の収益増を期待しているか(%)

加えて、法人顧客の多くは、リテール顧客と同様のサービスを望んでいると回答しており、オープンバンキング・サービスの提供によって、より革新的な処理や顧客体験の向上などが期待されています。また、オープンバンキングのエコシステムプラットフォームを活用する最大のメリットとしては、利便性が高く革新的なバンキングサービスへのアクセスが可能になる点が最も多く挙げられています(大企業の経営幹部の30%、中小規模企業の経営幹部の23%)。

さらに、法人顧客がオープンバンキング・サービスによって期待することとして、「より多くの顧客やパートナーにアプローチできる」(大企業の19%、中小規模企業の25%)や「プロセスの最適化」(大企業の17%、中小規模企業の20%)といった点が挙げられています。オープンバンキング・サービスを通じて、取引銀行との連携が最も強化できる業務範囲については、大企業も中小規模企業も「決済」「融資」「キャッシュマネジメント」と答えています。

アクセンチュアのシニア マネジング・ディレクターで銀行グループの責任者であるアラン・マッキンタイヤー(Alan McIntyre)は次のように述べています。「これまでオープンバンキングをめぐっては、リテール顧客を中心に議論されてきましたが、法人顧客もほぼ同様のサービスを銀行に期待していることが分かりました。オープンバンキングにより、銀行はプラットフォームのエコシステムを活用し、顧客である大企業や中小規模企業に対して、市場拡大や新規市場開拓を支援したり、最新の銀行サービスを提供したりすることが可能になります。サービスの数や品質を高めるチャンスが得られるのです。」

大手銀行の90%は、法人顧客向けのオープンバンキング・サービスへの投資をすでに開始しているか、2019年中の開始を予定しています。投資規模については、このうち71%の大手銀行は最大2,000万ドル、24%の大手銀行は2,000万ドル以上と回答しており、オープンなプラットフォームの構築、第三者企業によるサービスの提供、オープンバンキング活用方法の模索などを進めています。

本調査ではまた、銀行の法人顧客の35%が、すでにオープンバンキング・プラットフォームに参加しており、さらに42%が2019年中に参加予定であることも明らかになっています。なお、オープンバンキングにおいて好ましい提携相手として、大企業では72%、中小規模企業では65%が現在の取引銀行を挙げており、ノンバンクのデジタル企業を選ぶと回答した法人顧客は15%に過ぎませんでした。

前述のマッキンタイヤーはさらに次のように述べています。「オープンバンキングのイノベーションを利用して、伝統的な銀行から法人顧客を奪おうと、小回りの利くノンバンクのデジタル企業が市場に大量に流入しています。こうした競合企業よりも、オープンバンキングでの主導的地位をいち早く確立するために、伝統的な銀行はプラットフォームエコシステムを取り込んだ、新たなビジネスモデルやオペレーティングモデルを採用することが重要です。銀行は、オープンバンキングの潮流をリードするアドバンテージとして、信用やセキュリティ、プライバシー情報に基づく、長期にわたる法人顧客との関係を有していますが、自行が販売したい商品の提供ではなく、今こそ顧客のニーズに合ったソリューションの提供が求められています。」

アクセンチュア金融サービス本部の詳細については www.accenture.com/bankingをご覧ください。

調査方法

アクセンチュア・リサーチはオーストラリア、カナダ、中国(香港を含む)、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スウェーデン、タイ、英国、米国の11カ国でグローバル銀行100行、大企業330社、中小規模企業330社を対象に、オープンバンキングの導入に対する期待値および導入計画の有無についての調査を実施しました。調査は2018年9月にオンラインで行いました。

本プレスリリースは、2018年11月28日(現地時間)にアクセンチュアのニューヨークより発表した内容を日本語に翻訳したものです。原文のプレスリリースは、こちらよりご覧いただけます。(英語のみ)

アクセンチュアについて

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