2024/02/29

アクセンチュア ライフ トレンド2024を発表――生活者の価値観の変化や生成AI、
加速するイノベーションがもたらす変革を予測

アクセンチュア ソングによる年次レポートで、5つの世界的なマクロトレンドと
企業への示唆を提示

今年17回目となるアクセンチュア(NYSE:ACN)の年次レポート「アクセンチュア ライフ トレンド2024」によると、世界の半数の人は、結婚や学位の取得を後回しにする、また仕事の安定や引退も検討するなど、人生の目標を大きく転換させています。また、48%の人々は自らの将来の計画を1年以上先まで立てない、あるいは全く計画しないと回答しています。

急速なテクノロジーの進歩による環境の変化を受け、生活者の考え方も変化しています。これまで当たり前とされた常識を見直し、再構築して自らの居場所を見つけようとしており、こうした動きは社会を揺さぶり、企業に不確実性と脆弱性をもたらしています。

アクセンチュア ソングのグローバル・サステナビリティ・リードであるマーク・カーティス(Mark Curtis)は、次のように述べています。「生活者の価値観の変化、AIの躍進、そして絶え間ない変化のスピードに促され、私たちは再構築の10年を迎えようとしています。そして経営者は、どこから再構築に取り組むべきかという問いに直面しています。まずは自社の優位性を正しく理解したうえで、人の創意工夫や独創性を追求することが重要です」

「アクセンチュア ライフ トレンド2024」では、企業が顧客からの共感の創造とビジネスの成長を両立させるべく、5つの世界的かつ大局的なカルチャートレンドを解説しています。

1. 愛を取り戻せ
顧客体験と収益成長には相関関係があるという考えのもと、企業はあらゆる意思決定の中心に顧客を据えてきました。しかし、今や経済的な理由で企業はコスト削減を余儀なくされ、値上げや品質の低下、サブスクリプションの乱立、顧客サービス品質の低下など、さまざまなチャネルで顧客との間に摩擦を引き起こしています。顧客の半数近くが、カスタマーサービスへの繋がりづらさや不十分な対応に不満を感じています。

品質低下や内容量の減少(シュリンクフレーション)、サービス品質の低下(スキンプフレーション)、過度なサブスクリプション化などが重なり、ブランドは静かに信頼を失いつつあります。こうした傾向の中心にあるのは、企業と顧客の認識のズレです。企業にとってはこれらが生き残りの施策であっても、一部の顧客は貪欲さからくる施策だと捉えています。

2. インターフェース革命
会話型AIは、調査対象者の77%が「馴染みがある」と回答する広く認知された技術です。生成AIの登場で、インターネットにおける体験は単なる取引的な体験から個人的な体験へと進化しています。大規模言語モデル(LLM)によって知的で双方向の会話が成立し、「○○が欲しい」ではなく、「○○をしたい」に対する解決策を提示することが可能になりました。

生活者は、おすすめ商品の提示(42%)、タスクの遂行(44%)、健康や医療のアドバイス(33%)といった目的でChatGPTなどの対話型AIを使うことを快適だと感じています。対話型AIは今後、インターフェースの在り方を大きく変えるでしょう。ブランドは対話型AIインターフェースを通じて顧客理解を深め、顧客に関連性の高い製品、サービスや体験を提供できるようになります。さらに、顧客理解に適応したレスポンシブなブランド開発に着手する企業も出てくるでしょう。

3. 創造性の逆境
かつてクリエイティビティの主な目的は、想像力や人とのつながりを通じて感情的な反応を引き出すことにありました。しかし、今ではアルゴリズムやテクノロジーがクリエイターと観客の間に介在するようになり、本気で勝負に勝ちにいかなければ、埋もれて顧客に見つけてもらえない状況が生まれています。エンターテインメントに目を向けると、観客は続編やスピンオフといった過去の延長線上にある作品に飽き飽きしています。また、35%の回答者はどのブランドも似通ったアプリデザインで区別できないと回答し、18歳から24歳に限るとその値は40%近くに上昇します。文化の停滞期が訪れているといえるのかもしれません。

凡庸さが溢れているという課題は自然に解決しません。むしろ、クリエイティブを生み出すプロセスで生成AIの果たす役割が大きくなれば一層悪化する可能性もあります。賢明な企業はここに商機を見出し、独創性やクリエイティブな人材へ投資し、凡庸さの中で際立つ存在となるでしょう。

4. テクノロジーの飽和点
人とテクノロジーとの関係は重大な局面を迎えています。生活者の3分の1近くが、テクノロジーによって生活がシンプルになる一方、複雑にもなったと答えています。テクノロジーに追い立てられ、ウェルビーングに悪影響を与えていると感じています。

企業は、テクノロジーが生活にどのように組み込まれ、人々に新たな時間やスキルを強要していないかなどについて注意深く見極める必要があります。企業は、ブランドとの接点において、テクノロジー活用の有無を選択できるようにすることで、顧客に自己決定権を取り戻したと感じさせ、信頼できるパートナーとして認められるでしょう。

5. 成功神話の解体
人生におけるニーズやチャンス、そしてさまざまな制約によって、生活者像が大きく変化しています。人々はこれまでの常識に異を唱え、新しい考え方、行動、生き方を形作っています。従来の当たり前が解体され、新時代への再構築の10年が始まったようです。この変化に基づくシステムやサービスへの影響は、広範囲に及ぶでしょう。

例えば、今や人々は1年未満の単位で人生を考えています。48%の人は、1年先までの計画しか立てない、もしくは全く立てていない、と回答しています。過去3年間で、結婚(30%から21%)、学位の取得(30%から24%)、そして実家を出ること(23%から17%)といったライフイベントに関する重要度も低下しています。

こうした新たな価値観は、製品やサービスに対する見方を変えます。従来の常識にとらわれずに自分らしい道を歩もうとする人を支援するため、柔軟に適応してシームレスな体験を作り出す企業は、進化する生活者の共感を失うことはないでしょう。

アクセンチュア ソングのCEOであるデビッド・ドロガ(David Droga)は次のように述べています。「ブランドが人々の暮らしの中で有意義で、共感できる存在であるためには、細部まで行き届いた体験設計が必要です。生活者は多面的な存在で企業よりも速く変化しています。その変化についていくことは企業の大きな課題です。アクセンチュア ライフ トレンドは、変化し続ける世界に生きる人々の行動、姿勢を理解するための窓と言えます。企業やテクノロジー、社会的変化に対する生活者の反応を理解し、企業の成長に繋げるために役立てて欲しいと思います」

アクセンチュア ライフ トレンド2024の詳細はこちらを参照ください。

調査方法
「アクセンチュア ライフ トレンド2024」は、グローバルで活躍するアクセンチュア ソングのデザイナー、クリエイター、テクノロジーの専門家、社会学者、人類学者の洞察や知見、また、2023年8月に日本を含む21カ国15,227人に対して実施したアンケート調査をもとに作成されました。来たるデジタルトレンドを定義し、企業がまず取るべき施策を提案しています。

アクセンチュアについて
アクセンチュアは、世界有数のプロフェッショナル サービス企業です。アクセンチュアは、世界をリードする企業や、行政機関をはじめとするさまざまな組織の中核にデジタル技術を実装することで、組織運営を最適化し、収益を拡大させ、また市民サービスの向上にも貢献するなど、お客様に対して目に見える成果を圧倒的な規模とスピードで創出しています。 アクセンチュアでは、優れた才能でイノベーションを主導する約743,000人もの社員が120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。 また、テクノロジーが変革の成否を分ける時代において、世界中のエコシステム・パートナーとの緊密な連携を図りつつ、クラウド、データ、AIおよび業界ごとの比類のなき知見、専門知識や、グローバル規模のデリバリー能力を最適に組み合わせながらお客様の変革を支えています。アクセンチュアは、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐ、幅広いサービス、ソリューションやアセットを活用して成果につなげています。アクセンチュアでは、成功を分かち合う文化や、360度でお客様の価値創造を図ることで、長期にわたる信頼関係を構築しています。またアクセンチュアは、お客様、社員、株主、パートナー企業、社会へ提供している360度での価値創造を、自らの成功の指標としています。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.com/us-enを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jp-jaをご覧ください。

アクセンチュア ソングについて
アクセンチュア ソングは、顧客との価値ある関係を作り続けることで、お客様の成長を加速させ、企業価値の向上に貢献します。成長戦略、製品、顧客体験の設計から、テクノロジーを活用した顧客体験のプラットフォームやクリエイティブ、メディア、マーケティング戦略、さらに、キャンペーン、コンテンツ、チャネルの編成など、アイデアを生み出し、形づくるまで一貫したサービスを提供します。お客様との強い信頼関係と業界に関する卓越した知見とノウハウを掛け合わせ、絶えず変化する世の中において、想像力、テクノロジー、インテリジェンスがもたらす無限の可能性を通じて、お客様の成長を支援します。

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アクセンチュア株式会社 マーケティング・コミュニケーション本部 広報室
山田 和美、吉野 淳子
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