アクセンチュア最新調査――事業、テクノロジー、サステナビリティ戦略が連携された企業は、わずか7%
2022/06/28
CIOによるテクノロジー戦略とサステナビリティ戦略の連携により、
競争力の強化や経済価値の創出、社会と環境におけるサステナブルな発展を実現
【ニューヨーク発:2022年6月7日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、多くの企業が高いESG(環境、社会、ガバナンス)目標を設定するなか、企業が競争力の強化、経済価値の創出、社会と環境におけるサステナブルな発展を実現するには、これまで以上にテクノロジー戦略とサステナビリティ戦略のより緊密な連携が重要となることが分かりました。しかし現状では、事業戦略、テクノロジー戦略、サステナビリティ戦略が完全に連携されている企業は、調査対象全体の7%にすぎません。
最新調査レポート「Uniting technology and sustainability(邦題:テクノロジーとサステナビリティの統合)~サステナブルなテクノロジー戦略から最大限の価値を引き出す方法~」では、調査対象企業の560社すべてが、サステナビリティ目標の達成にはテクノロジーが「重要」または「非常に重要」であると捉えていることが分かりました。いずれの企業も統合戦略の有効性を明確に認識している一方で、サステナビリティ目標を達成するための障壁としてテクノロジーに関するソリューションや標準化の不足(40%)、複雑さ(33%)、意図しない結果に対する認識不足(20%)などを挙げています。これらの認識と実態のギャップが、企業の事業目標とサステナビリティ目標の間に背反性を生み出しています。しかし、包括的かつサステナブルなテクノロジー戦略の遂行により、両者の背反性を低減あるいは完全に解消できます。
企業の最高情報責任者(CIO)は、サステナビリティ改革を推進する上でも非常に重要な役割を担うことができるキーマンであり、戦略の策定プロセスから積極的に関与すべきです。しかし現状では、CIOをサステナビリティ戦略の策定メンバーに任命している企業は49%であり、CIOがその目標達成における責務を担っている企業は45%にとどまります。
アクセンチュアのテクノロジー・サステナビリティ・イノベーション・リードであるサンジェイ・ポダー(Sanjay Podder)は、次のように述べています。「すべての企業でサステナブルな事業が遂行されるべきであり、テクノロジーはそれを実現する基本的かつ重要な要素です。グローバルサプライチェーンの透明性やトレーサビリティの向上から、CO2排出量の測定と削減まで、テクノロジーはあらゆる戦略とプロセスで大きな役割を果たします。事業の中枢にサステナビリティを組み込むことは、もはや企業にとって選択肢ではなく責務です。サステナブルなテクノロジー戦略、すなわち、テクノロジーの活用によるサステナビリティ、そしてテクノロジー自体のサステナビリティを推進し、エコシステム全体を巻き込んだ広範なサステナビリティの実現を目指して取り組むことで、企業は360度の価値の提供と高いサステナビリティ目標を達成できます」
なお、効果の高いサステナブルなテクノロジー戦略では、以下3つの取り組みを通じて、事業の成長と高いESGパフォーマンスの達成を促します。
- テクノロジーを活用したサステナビリティ: テクノロジーを活用して組織全体のサステナビリティの取り組みを加速します。調査では92%の企業が2030年までのネットゼロ達成を目指しており、そのためにはCO2排出量の測定と削減、排除を可能にする高度なテクノロジーの導入が不可欠です。さらに、レスポンシブル(責任のある)・バリューチェーンへの移行、顧客に対するサステナブルな商品やサービスの提供、サステナブルな組織づくりなどにおいても、テクノロジーの活用が成否の分かれ目となります。今回の調査においても、生産およびオペレーションプロセスでCO2排出量の削減に成功している企業の70%が人工知能(AI)を活用していることが分かっています。
- テクノロジー自体のサステナビリティ: テクノロジー自体のサステナビリティを段階的に高め、人と地球に優しいエコフレンドリーな社会を目指します。人々がインターネットを介してテクノロジーを利用する機会が増えるにつれ、IT利用によるCO2排出量も増加しています。炭素効率性に優れ、CO2排出量を意識したグリーンソフトウェアの採用、プライバシー・公正性・透明性・堅牢性・アクセシビリティに配慮した信頼性の高いシステムの構築、適切なガバナンスの強化に向けて、企業は優先的に取り組む必要があります。調査対象企業560社の中で、「ソフトウェア開発のライフサイクルにおける、全ての段階でエネルギー効率を考慮している」と回答した企業は、わずか2社であり、改善の余地が大きいことが浮き彫りとなりました。さらに調査レポートでは、ソフトウェア開発ライフサイクル、グリーンデジタルエクスペリエンス、クラウド、エッジ、データセンター、AI、分散型台帳技術、インフラストラクチャといった各分野における、CO2排出量の削減余地を示したグリーンソフトウェア開発のフレームワークを示しています。
- 広範なサステナビリティ: エコシステムパートナーと協力して画期的なイノベーションを追求し、従来とは根本的に異なる、よりサステナブルな未来のビジネスアプローチを開発します。いかなる企業もグローバルなサステナビリティの課題に、単独かつ広範に取り組むことは不可能です。国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)を達成するには、すべての企業が業界や組織の枠を越えて取り組む必要があります。調査では、43%の企業がエコフレンドリーなテクノロジーにフォーカスした業界連携、提携、アドボカシーグループなどに参加しています。
アクセンチュアでは、これら3つのサステナビリティへの取り組みを全従業員の行動指針やあらゆる事業活動に組み込み、積極的に推進をしています。すでに社内の95%の業務アプリケーションはパブリッククラウド上にあり、また、Green Software Foundationの創設および運営メンバーとして、業界における基準の策定や取り組みを推進しています。さらに、グリーンソフトウェアのフレームワーク、ツール、ベストプラクティスを独自開発するとともに、アクセンチュアに在籍している7万名以上の開発者に対し、サステナブルなソフトウェア・エンジニアリングのトレーニングを実施してきました。アクセンチュアは、大手ソフトウェア企業やクラウド事業者から革新的なスタートアップ企業まで、多種多様なパートナー企業と協力して、顧客企業のサステナビリティ目標の達成と成果の創出に向けた取り組みを支援しています。
アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 サステナビリティ プラクティス日本統括 マネジング・ディレクターの海老原 城一は、次のように述べています。「企業は今や、地球・社会課題解決へ成果創出と、事業成長を両立させる難しいチャレンジが求められています。サステナブルな社会の実現に向けては、それを支えるテクノロジーの活用から、関わる人々のインクルージョン&ダイバーシティに至るまで、環境、社会、ガバナンス(ESG)のあらゆる課題に目を配ることが肝要です。アクセンチュアは、サステナビリティは後付けで対応するものではなく、ビジネスの根幹に最初から組み込まれるべきものだと考えており、前述のような多面的な視点をもって、お客様を真のサステナビリティ企業への変革を全面的に支援しています」
調査方法
本調査は、日本、米国、英国、ドイツ、フランスなど12か国11業種の売上高が10億米ドル以上の企業の最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)、最高サステナビリティ責任者および各部門の幹部560名を対象にオンラインで実施しました。調査期間は2021年9~10月です。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズサービス、アクセンチュア ソングを、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテリジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供しています。アクセンチュアは71万人の社員が、世界120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる価値を創出します。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.com/us-enを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
【報道関係の方のお問い合わせ先】
アクセンチュア株式会社
マーケティング・コミュニケーション本部 広報室
川上 雄一郎
TEL: 045-330-7157(部門代表)
Email: accenture.jp.media@accenture.com
Copyright © 2022 Accenture. All rights reserved. Accenture and its logo are trademarks of Accenture. This content is provided for general information purposes and is not intended to be used in place of consultation with our professional advisors. This document refers to marks owned by third parties. All such third-party marks are the property of their respective owners. No sponsorship, endorsement or approval of this content by the owners of such marks is intended, expressed or implied.